フツウをかきまぜる日々

“ひと”にまつわる事柄を、自分の経験とマンガや映画などを絡めて描きます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

「女性に否定的なかかわりをされること」の解像度を上げる ―「負の性欲」言説への批判的応答―

0.はじめに 現在「負の性欲」という言葉がTwitterで拡散されている。元になったTweetを見たところ「遺伝的に劣った男性に対して女性が抱く嫌悪感や拒否感」を意味するらしいが、科学的な裏付けは特にない。 確かに「女性から否定的なかかわりをされる」と…

ナラティヴコミュニティの意義・分類・進め方

ナラティヴコミュニティとは? 語りによって構成され維持される共同体。「回復」「研究」「解放」などの大きな物語が軸にあり、またその中で新たな語りが創出される。 ナラティヴコミュニティの意義 ■他者に関心を持つこと/持たれること 物語に対する敬意か…

女の多声性を記述するということ ー樫田那美紀『シスターフッドって呼べない』を読んでー

先日、大阪で開かれた文学フリーマーケットに足を運んだ。小さな長机が所せましと並び、売り手たちは机の向こう側からこちらの視線をとらえては「どうですか!」と声をかけてくる。おそらく相当な労力をかけたであろう作品群と、その書き手が一堂に会して並…

「モテる」の再考〜「イケメンだから許される」は本当に「イケメン」だから「許されて」いるのか?~

主催している男性の語り合いグループ「ぼくらの非モテ研究会」(以下、非モテ研)で来週行われるイベントに向けた思いのようなものを書いておこうと思う。https://kokucheese.com/event/index/566119/ これまで非モテ研は「モテ」を目指すものではないと謳っ…

三重ダルク、探訪。「生きること」を支援すること。

男性同士の語り合いグループ「ぼくらの非モテ研究会」を開いて1年が経つ。 先日ありがたいことに、グループでの活動について『現代思想』2月号に寄稿させていただいた。 青土社 ||現代思想:現代思想2019年2月号 特集=「男性学」の現在 その中で私は、仲間…