フツウをかきまぜる日々

“ひと”にまつわる事柄を、自分の経験とマンガや映画などを絡めて描きます。

男の居場所のつくりかた(3)「第1回男の勉強会」

前回の「男の居場所のつくりかた」からだいぶ時間がたってしまった。
シリーズの第3弾である。
 
 
男の勉強会を開くことした私たちは、まず仙台市男女共同参画センターに団体登録した。
専門の人たちに意見をいただきつつ、センター内のスペースで勉強会を開こうと考えたからだ。
ジェンダーなどに関心のある人が集まってくるのでは、という思惑もあった。
 
Facebookで団体ページを立ち上げ、イベント告知をしたら参加者集めである。
以前の職場の同僚や、ボランティア仲間、ニート時代お世話になったキャリアカウンセラーさん。 とにかく様々な男性たちに呼びかけた。
 
参加者は男性(正確には「性自認が男性よりの人」)だけに絞った。
男性性について語るとき、女性がいては恰好をつけたり、上回ろうとしたりして、男の「本音」の部分が出てこないのでは、と考えたからだ。
 
そして7月12日、第一回男の勉強会当日。
最悪私と相方の2人だけになるのでは…とも思っていたが、6人の方(男だけで6人も!)に参加していただいた。
 
まず自己紹介の時間。
ここで早速男たちの「男らしさ」が光る。
自己紹介の内容が(私も含めて)ほぼ「肩書の説明」になってしまうのだ。
 
「このような職場でこのような役職でこのような仕事をしてきました…。」
 
その人がどんなことが好きで、どんなふうに日々過ごし、何を考えているのかが全く分からない。
男たちがいかに何気ない会話をできないかがよく見えた。
 
この日のテーマはずばり「男らしさとは何か」
 
どんな時に自分が男だと感じるのか、自由に語り合った。
 
こうしたフリーのディスカッションで一般論が多くなるのもおそらく男性限定特有のものだろう。
 
「男というのは…」「現代社会では…」
 
と「すべての(多くの)人はこうである」という論調にどうしてもなってしまい、「私は…である」といったように自分の話になかなかならないのだ。
 
 
ちなみにこのお題では「女性を守ろうとするとき」男性性を感じる、という話が多く出た。
寒い夜道でコートをかけてあげる、食事をご馳走する、歩いているとき道路側を歩くなど。
 

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サービス系、IT系の仕事が主流になったポスト工業化の現代では、「筋力」が重宝されることはなくなった。
終身雇用制度がなくなり男性も安定した仕事につきにくくなった今、「経済力」を男が胸をはって誇示できるわけでもない。
 
何をもって男は女性を「守る」のか。
今まで男たちが依り代にしていた力や制度は、だんだん依り代としての効果を果たさなくなってきたのではないか。
もしかしたらコミュニケーションがあまりうまくない、実は甘えたいなどの人としての“弱さ”をカバーするものとして、女性に対して格好をつけるという手段を使っているのではないか、というところまで話は発展した。
 
勉強会は初回にもかかわらず盛り上がった。
この時参加してくれた方々は今もリピーターとして参加し続けてくれている。
 
様々な課題は見えつつも、確かな手ごたえを感じた。
 
 
※次回は第2回男の勉強会「男と愚痴」について書きます。
 
<Re-Design For Men>
「男が女性をリードすべき」「男は弱音を吐いてはならない」など、男かくあるべしという固定観念に縛られているために、男性は周りの人に自分の考えを押しつけたり、時には自分自身がしんどくなったりすることがあります。
そんな意識をゆる~くときほぐすため、月1回、男性の男性による男性を考えるための勉強会を開催。
20代から60代まで、学生、ニート、フリーター、サラリーマンなど、様々な年齢・背景の男性たちが集まり、「性欲」「仕事」「プライド/劣等感」などをテーマに気ままに語り合っています。
会の中でいろんな人の視点に触れ、「こう考えることもできるのか」と気付くことで自分の‟男性性”を作り替え(=Re-Design)、より生きやすくなることを目指します。
 
<今後の予定>
第9回男の勉強会「男と暴力」
【日時】2017/2/25 (土) 18:00-20:00 (会場受付17:50から)
【場所】仙台市市民活動サポートセンター 研修室1