ロード・オブ・ザ・リングに見るイケメンの定義
イケメンとは何か。
イケメンを解説するインターネットページをいくつか読んでみたところ、その意味は多種多様であるらしい。
※以下ネタバレあり
ここからイケメンを選出しようと思う。
正統派イケメン
まず「イケメン」という言葉が「イケてるメンズ」と「面」をかけた言葉であることからわかるように、「ハンサム・美形」という意味で最も多く使われるだろう。
とすれば、オーランド・ブルーム演じるレゴラスは外せない。
ブロンドの長髪。
弓を自在に操り、圧倒的な運動能力を誇るエルフの王子は誰がどう言おうとハンサムである。
清廉すぎて屁もこかないんじゃないかとさえ思えてくる。
イケメンは顔だけではない
別の系統のイケメンもおさえておきたい。
ゴンドールを追われた若き人間の王、アラゴルンだ。
こちらはレゴラスと異なりワイルド系ハンサム。
その圧倒的リーダーシップで皆を引っ張り、使命のためにあきらめない姿は紛れもなくイケメンだ。
夜営するフロドたちを助けに現れるシーンなどイケメン過ぎてもう涙が止まらない。
このアラゴルンは一方でイケメンの定義について重要な示唆を与えてくれる。
え…?この人…本当にあのワイルドイケメンだったアラゴルン?
え?え?
そう。
イケメンは顔だけではない。
髪型や服装、ひげ、メガネなどオプションによってもつくられるのだ。
意外と自分はイケていると思っていたのに、美容院の白いカットクロスをかぶり、メガネを外され、髪の毛を全アップにされると「あれ?意外と俺微妙…」となる現象と同じである。
イケメンは見た目だけでもない
さらにイケメンに関して言及している記事を見ると「見えないところで努力している」という言葉を見つけた。
なるほど。
水上では美しく、水中では必死に足をばたつかせる白鳥のごとく努力する男性はイケメンかもしれない。
そう、つまりサムである。
指輪の魔力にやられて何度もフラフラになっているフロドなど、サムがいなければ指輪を破壊する旅路のかなり前半で息絶えていただろう。
ゴラムに唆されてサムを罵倒しだした時などもうデコピンしてやろうかと思ったくらいである。
年をとっても頼りになる系イケメン
イケメンの用法として「頼りになる」という意味で使われることも多いようだ。
困った時、不安な時、そっと手をさし伸ばしてくれる存在はイケメンだろう。
魔法使いと名乗っているくせに使える魔法は花火と岩砕きだけという、それだけ見ればハリーポッターの足元にも及ばない彼だが、「大きな鷲を呼び寄せる」という強靭な力をごくたまに発揮する。
窮地から脱するときの移動手段として、敗色濃い戦況で大量に現れ敵の軍勢に襲い掛かる戦力として、鷲たちは大活躍するのだ。
「もっと早く呼んでええええええええ!」
「てか鷲さんたち、もうゴールまで乗せていってえええええええ!」
と思わなくはないが、ガンダルフはその力で仲間たちを数ある危機から救ってきた。
イケメンのダイバーシティ化の中で
顔がいい人だけをイケメンと呼ぶ時代は終わったのかもしれない。
『ロード・オブ・ザ・リング』のキャラクターだけでもこれだけのイケメンがいる。
確かに私がレゴラスのようになるのは7回生まれ変わっても不可能だろう。
しかし別の形でイケメンと呼ばれる存在にはなれる可能性がある。
そう考えれば僕らはもう少し生きやすくなるかもしれない。