フツウをかきまぜる日々

“ひと”にまつわる事柄を、自分の経験とマンガや映画などを絡めて描きます。

ロード・オブ・ザ・リングに見るイケメンの定義

イケメンとは何か。
 
イケメンを解説するインターネットページをいくつか読んでみたところ、その意味は多種多様であるらしい。
 
今日はその意味付けを、J・R・R・トールキンが世に出した珠玉のファンタジー『指輪物語』を映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』を引き合いに検討してみよう。
 
※以下ネタバレあり
 

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冥王サウロンを倒すため、人間・ドワーフ・エルフ・ホビットなど様々な種族から集まった9人の旅の仲間には、なかなかバラエティーにとんだ男性陣がそろっている。
ここからイケメンを選出しようと思う。
 
 
正統派イケメン
 
まず「イケメン」という言葉が「イケてるメンズ」と「面」をかけた言葉であることからわかるように、「ハンサム・美形」という意味で最も多く使われるだろう。
 
とすれば、オーランド・ブルーム演じるレゴラスは外せない。
 

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ブロンドの長髪。
弓を自在に操り、圧倒的な運動能力を誇るエルフの王子は誰がどう言おうとハンサムである。
清廉すぎて屁もこかないんじゃないかとさえ思えてくる。
 
 
イケメンは顔だけではない
 
別の系統のイケメンもおさえておきたい。
 
ゴンドールを追われた若き人間の王、アラゴルンだ。
こちらはレゴラスと異なりワイルド系ハンサム。
 

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その圧倒的リーダーシップで皆を引っ張り、使命のためにあきらめない姿は紛れもなくイケメンだ。
夜営するフロドたちを助けに現れるシーンなどイケメン過ぎてもう涙が止まらない。
 
このアラゴルンは一方でイケメンの定義について重要な示唆を与えてくれる。
 
アラゴルン演じるヴィゴ・モーテンセンを、皆さんはアラゴルンに扮した以外で見たことがあるだろうか?
 

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え…?この人…本当にあのワイルドイケメンだったアラゴルン
え?え?
 
そう。
イケメンは顔だけではない。
髪型や服装、ひげ、メガネなどオプションによってもつくられるのだ。
意外と自分はイケていると思っていたのに、美容院の白いカットクロスをかぶり、メガネを外され、髪の毛を全アップにされると「あれ?意外と俺微妙…」となる現象と同じである。
 
 
イケメンは見た目だけでもない
 
さらにイケメンに関して言及している記事を見ると「見えないところで努力している」という言葉を見つけた。
 
なるほど。
水上では美しく、水中では必死に足をばたつかせる白鳥のごとく努力する男性はイケメンかもしれない。
 
 
 
そう、つまりサムである。
 

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主人公フロド邸の庭師、サムことサムワイズ・ギャムジーは、目立ちはしないものの、旅の仲間たちとはぐれたフロドとともに最終目的地モルドールを目指し、道中幾度となく活躍する。
 
指輪の魔力にやられて何度もフラフラになっているフロドなど、サムがいなければ指輪を破壊する旅路のかなり前半で息絶えていただろう。
ゴラムに唆されてサムを罵倒しだした時などもうデコピンしてやろうかと思ったくらいである。
 
 
年をとっても頼りになる系イケメン
 
イケメンの用法として「頼りになる」という意味で使われることも多いようだ。
困った時、不安な時、そっと手をさし伸ばしてくれる存在はイケメンだろう。
 
ロード・オブ・ザ・リング』、さらにその数十年前のエピソードを描いた『ホビット』でその役割を負ったのが、世界に4人しかいない魔法使いの1人であるガンダルフだ。
 

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魔法使いと名乗っているくせに使える魔法は花火と岩砕きだけという、それだけ見ればハリーポッターの足元にも及ばない彼だが、「大きな鷲を呼び寄せる」という強靭な力をごくたまに発揮する。
窮地から脱するときの移動手段として、敗色濃い戦況で大量に現れ敵の軍勢に襲い掛かる戦力として、鷲たちは大活躍するのだ。
 
「もっと早く呼んでええええええええ!」
「てか鷲さんたち、もうゴールまで乗せていってえええええええ!」
 
と思わなくはないが、ガンダルフはその力で仲間たちを数ある危機から救ってきた。
 
 
イケメンのダイバーシティ化の中で
 
顔がいい人だけをイケメンと呼ぶ時代は終わったのかもしれない。
ロード・オブ・ザ・リング』のキャラクターだけでもこれだけのイケメンがいる。
 

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確かに私がレゴラスのようになるのは7回生まれ変わっても不可能だろう。
しかし別の形でイケメンと呼ばれる存在にはなれる可能性がある。
 
そう考えれば僕らはもう少し生きやすくなるかもしれない。